上級ウェブ解析士の難易度は?|勉強時間や合格のポイントを徹底解説

ウェブ解析士を既にお持ちの方や、これからウェブ解析士を受験される方においては、「上級ウェブ解析士が気になる」という方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、現役上級ウェブ解析士である管理人が、
- ウェブ解析士と上級ウェブ解析士の違い
- 上級ウェブ解析士合格のポイント
- 上級ウェブ解析士取得のメリット、デメリット
について、解説したいと思います。
特に、今後実務に活かしていくことを想定してウェブ解析士を取得された方で、「合格はできたけど、まだ実務に活かせる自信はない…。」という方はぜひ参考ください。

- ウェブ解析士を取得済の方
- 上級ウェブ解析の受験をお考えの方
- ウェブ解析の実務スキルを高めたい方
上級ウェブ解析士ってどんな資格?

ウェブ解析士と上級ウェブ解析士の違い
ウェブ解析士 | 上級ウェブ解析士 |
---|---|
ウェブ解析・マーケティングの用語理解・知識習得をめざす | 実務経験によるコンサルティングスキル習得をめざす |
ウェブマーケティングの入門編として基礎知識の習得を目的とするウェブ解析士と異なり、上級ウェブ解析士では、実際にコンサルティングを体験することで、より実践的なスキルの習得をめざしていきます。

ウェブ解析士は正直、机上の勉強だけでも合格をめざせる内容です。
ウェブマーケティングの戦略・KPI策定や、ツールの使い方まで踏み込んだ実践的な内容になっているのが上級ウェブ解析士の特徴です。
上級ウェブ解析士についてもっと詳しく知りたい方は、ウェブ解析士公式HPをご覧ください。
上級ウェブ解析士はこんな方におすすめ
- ウェブ解析士に合格したが、もっと実践的なスキルを身に着けたい方
- 「知っている」から「できる」へステップアップしたい方
- 実践を通じて、実務に活かせるレベルへの到達をめざしたい方

私の場合、ウェブ解析についてもっと深く知りたい!と思ったのと、「ウェブ解析士合格だけでは実務に生かせるレベルではない」と感じたためです。
ウェブ解析士は、「ウェブ解析・マーケティングの用語理解・知識習得をめざす」ことが目的なので、よくも悪くも、公式問題集を中心とした学習で合格できてしまいます。
ですがおそらく、本記事を読んでおられる方は、「仕事で活躍できるレベルに到達したい」という思いをお持ちの方だと思います。
やはり、教科書と問題集で理解を深めるだけではその域には達しませんので、さらにその先をめざしたい方は上級ウェブ解析士にチャレンジしてみるべきだと思います。

百戦錬磨の講師相手にコンサルティング提案を行うのは、なかなかドキドキしますが、実践的な知識の獲得・理解を深めることができます。
上級ウェブ改正騎士の受験資格、受験費用は?
上級ウェブ解析士の受験要件と、費用は以下のとおりです。
受験資格 | ウェブ解析士資格保有者であること |
受験費用 | 88,000円(受験料含む・税込) |
上級ウェブ解析士ができること
顧客のビジネス課題を抽出し、課題解決に至る戦略・施策を立案し、実行管理できる能力。
講座の中で得た知識や技術を使って、企業の目標達成のための提案、施策実施の遂行ができます。


ウェブマーケティングに関わらず、商品開発をはじめ様々な事業運営において役に立つ考え方を身に着けることができます。
上級ウェブ解析士の難易度・合格率

上級ウェブ解析士の合格率は非公開ですが、実際に受験された方の声や、講師に聞いた感触では、80%程度あるようです。

え、「上級ウェブ解析士なのに合格率がそんなに高いの?」と思われる方もいらっしゃると思います。
実際に受験した管理人の感触としても、肌感として上級ウェブ解析士の合格率はかなり高いと思います。
なぜなら、上級ウェブ解析士は落とすための試験ではなく、実践経験を積むことで実務レベルを高めることを目的とした試験であるためです。
「やれば合格できる試験」なのです。
上級ウェブ解析士合格の要件は?
- 講座各章のテキスト閲覧を完了し、提示された課題を提出・合格していること。
- 2回のオンラインライブ授業または会場講座に参加していること。
- 修了テストに合格していること。
- 事前課題・中間課題・修了レポートを期限までに提出し、合格点140点以上を取得すること。(各点数配分は下記参照)
項目 | 満点 | 不合格ライン |
---|---|---|
事前課題 | 50点 | 35点未満 |
中間課題 | 50点 | 35点未満 |
修了レポート | 100点 | 70点未満 |

合格要件を見ると、「え!7割も取らなきゃ…!」と思うかもしれませんが、大丈夫です。
次にご紹介しますが、「やれば合格できます」。
【体験談】上級ウェブ解析士は簡単?具体的な内容と合格のポイント

結論から言うと、合格ラインはむずかしいものではありません。
レポートについては、講師のアドバイスを受けながらブラッシュアップできますし、修了テストも合格するまで繰り返し受験可能です。
最も重要なのは、「時間をいかに確保するか」です。
合格のポイントは以下です。
- オンライン学習の課題を早めに終わらせていく(選択問題は後で振り返る)
- レポートは早めに出して、講師からフィードバックをもらう
- 講師のフィードバックを元にブラッシュアップする
- とにかく、締め切りギリギリでの提出を避ける
オンラインの講座もさることながら、レポートも真剣に取り組むほど時間をかなり使います。

私の場合、1ヵ月半で40時間ほどかけました。
オンライン学習の内容と進め方
Moodleのポータル上で講義スライドを確認しながら、出題される課題を解いていきます。
正直、結構な量の課題がありますので、レポートを講師に提出している間のスキマ時間を使って、解いていくのがおすすめです。
オンライン学習ではどんな課題が出る?
課題のイメージを掴むために、2022年度受験の際に出題された課題を、いくつか紹介します。
■メディアサイトの改善提案
ヒートマップツールを確認し、回遊性と有益性の観点から改善提案を行う
■ミクロ解析による把握
ユーザーエクスプローラーを使ってセッション毎の顧客行動を分析し、顧客の行動、気持ちについて仮説を立て、満足度向上のために改善すべき課題を提案する
■既存サーチトラフィックの改善提案
Googleアナリティクス内のSearch Consoleレポートで確認できる順位や、表示回数を確認し、強化すべきキーワードとその対策を提案する
■SNSの課題と改善策提案
Instagram、Twitter、FacebookなどSNCのレポートを見て、エンゲージメントを高めるための提案を行う
■ランディングページ解析
加重直帰率、直帰率を見て、改善すべきページを見つけ、その原因について仮説を立て、改善施策を提案する

紹介したのは一部ですが、これだけ見ても、ウェブ解析士の試験と比較して、「かなり実践的な内容」になっていることが分かります。
他の受験者回答も参考にしよう
私が受験した2022年度は、提出することで他の受験者の回答を閲覧・レビューすることができました。
そのため、悩むのに時間をあまりかけず、いったん仕上げた後、他の受験者の回答も確認しながら、より納得感のある回答にブラッシュアップしていくような形がおすすめです。
他の受験者の回答を見ることで、自分では気づけなかった着眼点や、提案の仕方など、新たな発見ができるはずです。
選択課題の残りは修了レポート提出後に着手しよう
オンライン講座の課題には、「必須」と「選択」の課題があります。
選択課題については、どれか一つ回答すれば問題ないのですが、「他の問題も解いてみたい!」という気持ちが芽生えるかもしれません。
ですが、全体的にボリュームが多い試験ですので、前に進めることを重視した方がよいです。
また、講師とのキャッチボールで理解を深められるレポートに割く時間の方が圧倒的に有意義ですので、レポートに重点を置くことをおすすめします。
レポートの内容と進め方
- 事前課題
- 中間課題
- 修了レポート
合計で3つのレポートがあり、事前課題と中間課題の内容が、修了レポートの一部に反映されていくような形です。
レポートでは、ウェブ解析士協会公式HPの生データを分析して、ウェブ解析士協会に対して改善提案(=コンサルティング)を行います。
「リアルなデータを実際に分析して、改善提案まで行う」、これが上級ウェブ解析士の醍醐味です。
レポートの内容
参考情報ですが、管理人が受験した2022年度では、以下の内容でしたが、2023年度も大きな変更はないようです。
■事前課題
- 5フォース分析
- クロスSWOT分析
- Net Promoter Score
- ペルソナ
- カスタマージャーニーマップ
- ロジックツリー
■中間課題
- ウェブマーケティング計画書
- KPI設定シート
- 解析設計指示書
■修了レポート
- 事前課題の事業分析
- 3か月全体レポート
- 中間課題のKPI設定シート
- カスタマー別月間推移
- 事前課題のロジックツリー
- ウェブマーケティング改善提案
- ウェブ解析設計提案
- マーケティング解析レポート
- アクセス解析レポート

ご覧のとおり、めちゃくちゃ実践的な内容になっていました!
このレポート、どこまで掘り進んでいくか次第ではありますが、ご覧のとおり、上級ウェブ解析士講座で最も時間を使います。
あまり迷いすぎず、いったん自分なりの考えでアウトプットして、早めに講師の方にぶつけてフィードバックをもらうことをおすすめします。

「自分はこう思うのですがどうでしょうか?」といった質問を投げると、講師の方も親身に回答してくれました。
ぜんぜん違う方面で時間をかけて作り込んでしまうと、修正が必要になったときに時間が無くて焦ってしまいます。
また、締め切りぎりぎりで提出すると、講師のフィードバックを反映する時間の確保が難しくなるので、ゆとりをもって進めるようにしましょう。
修了テストの内容と進め方
レポート提出後、修了テストを実施します。
2022年度受験では、修了テストは以下の形式で実施されました。
- 講座の内容から20問出題
- 選択式の問題(4択)
- 70点以上で合格
- 合格するまで何度でもチャレンジ可

合格するまで何度でも受験可能だったので、修了テストも、ちゃんとやれば合格できるものです。
上級ウェブ解析士の学習時間

講座がスタートしてからオンライン講座やレポートをやり終え、合格するまでの所要時間は、先ほど紹介した、管理人の場合は1.5ヵ月で40時間でした。
また、講座受講形式なので、事前学習の時間は取りませんでした。
参考ですが、ウェブ解析士協会公式HP上でも、上級ウェブ解析士の学習時間は以下のとおり紹介されているので、管理人は割と時間をかけている方だと思います。
上級ウェブ解析士取得のおおまかな流れ
大枠の流れは、以下のとおりです。
開催スケジュール を確認し、都合の良い講座に申し込む。
- 外部環境分析課題(5 Forces分析)
- 内部環境分析課題(クロスSWOT分析)
- ユーザー分析課題(NPS、ペルソナ、カスタマージャーニーマップ)
- ロジックツリー課題
講座の全体像と学習の進め方、各課題の講評、講座内容に関する質疑応答・ディスカッションなどを行う。
第2部開始までに下記3種類のドキュメントを作成し、講師の指定する期限内に提出する。
- ウェブマーケティング計画書
- KPI設定シート
- 解析設計指示書(3つからひとつを選択)
各課題の講評、講座内容に関する質疑応答・ディスカッションなどを行う。
修了テスト(講座各章、事前課題、中間課題から出題される選択問題)の実施および、以下の内容の修了レポートをを講師の指定する期限内に提出する。
- 事業分析(事前課題)
- 3ヶ月全体レポート
- KPI設定シート(中間課題)
- カスタマー別定義月間推移レポート
- ロジックツリー(事前課題)
- 改善施策提案
- 解析設計提案
- マーケティング解析によるデータ分析
- アクセス解析によるデータ分析
上級ウェブ解析士認定講座の開催日程

開催スケジュールは、ウェブ解析士協会公式HPにて確認できます。
講座によって進め方やスケジュール感も異なるので、ご自身の都合にあった講座を選ぶようにしましょう。
さっそく開催日程を見てみる
受講方法やおすすめの講座の選び方については、以下の記事でまとめておりますので、よければ参考ください。

上級ウェブ解析士取得のメリット・デメリット

管理人の考える、上級ウェブ解析士取得のメリット・デメリットは以下です。
上級ウェブ解析士取得のメリット

一言で言うと、「実務で使えるレベルへの到達」を実感できるのが上級ウェブ解析士の大きなメリットです。
プログラム自体がそうなっているのですが、下位資格のウェブ解析士は「基本的な知識を知る」のが目的であるのに対し、上級ウェブ解析士は「実務経験によるコンサルティングスキル習得する」ことが目的です。
問題集やテキストなど机上での「インプット」がメインのウェブ解析士と違い、
- リアルなデータに触れ、
- 実用的なツールを活用して分析し、
- プロに対して改善提案まで行う
という、「アウトプット」を中心としたカリキュラムを実践することで、
ウェブ解析士を取得するだけでは得られなかった、「実務で戦うためのスキル」を獲得できるものになっています。

実務での活用を目標としてウェブ解析士取得した方は、ぜひ一度上級へのチャレンジを考えてみてもいいのでは、と管理人は思います。
上級ウェブ解析士取得のデメリット
ウェブ解析士を取得された方ならご存知だと思いますが、上級ウェブ解析士もまだ世間一般的に認知度が高い資格ではなく、また、民間資格です。
そのため、対外的なアピールを目的とした資格取得を目的とされる方にとっては、魅力は薄いと言えるでしょう。
次に、最大のデメリットとも言えるのが受講費用が高いことです。(88,000円・税込)
ウェブ解析士と違って、講師とのディスカッションやレポートの添削など、「人が動く分」のウエイトが大きな内容になっているのでやむを得ないかもしれません。

管理人の場合、合格した場合の取得費用を会社で負担してくれる制度があったので、受講費用を気にせず受講することができました。
費用がネックな方は会社の制度を一度確認してみてもいいかもしれません。
上級ウェブ解析士取得のデメリットは以下の記事で詳しくまとめておりますので、もっと知りたいという方はよければご覧ください。

また、「合格のポイント」でお伝えしていたように上級ウェブ解析の取得は、「時間をいかに確保するか」が肝となります。
まとまった学習時間を確保しづらい人にとっては、デメリットに感じてしまうかもしれません。
ちなみに、私が1~2ヵ月の短期講座しかありませんでしたが、最近の上級ウェブ解析士認定講座では、
- 今年中に取得コース
- 自分のペースで学習できるオンデマンド講座
といった講座も出ております。
受講費が高い分、不合格は避けたいと思いますので、時間の確保が難しい方は、こうした時間配分が柔軟な講座を選んでみてもいいかと思います。
ウェブ解析士合格後に上級をめざす方の声(Twitter)
Twitter上で、ウェブ解析士合格後に上級ウェブ解析士をめざしておられる方の声を集めてみました。
上級ウェブ解析士を受けた管理人の感想・体験談

講師にめぐまれた可能性も大いにあるのですが、私の場合非常に充実した1.5ヵ月を過ごすことができ、受験してよかったと本気で思っています。
下位資格のウェブ解析士が「実務スキルの習得」という観点では物足りなかった部分を、上級では補ってくれました。
また、講師(プロ)に自分の考えを添削してもらえるというカリキュラムが、自分にとってはとても魅力的な内容で、
「どうしたらあの人をうならせることができるか?」
と、熱中しながら取り組むことができました。

壁打ちできる相手がいるのは、理解を深めるだけでなく、モチベーションの維持につながりました。
ただし、いくらカリキュラムや講師が良かったとしても、結局は「自分がどれだけ本気で取り組むか?」次第で、成長度は大きく変わってくると思います。
講師も合格をサポートする助言をくれるので、及第点となるレベルに仕上げるのは難しくないでしょう。
その一方で及第点レベルだと、「いざ、実務に活かす!」というシーンで力不足になってしまう可能性もあります。
せっかくの機会ですので、実務に活かすべく、「講座をやり込むつもり」でチャレンジされることをおすすめします。
上級ウェブ解析士受講のよくある質問

- 上級ウェブ解析士認定講座の受講で必要なものは?
-
ウェブ解析士資格保有者である必要があります。
- 上級ウェブ解析士の受講に「事前学習」は必要?
-
受講の前に事前学習は必要ありませんが、ウェブ解析士の資格を有している方向けのカリキュラムになっていますので、テキストの内容は押さえておきましょう。
- 上級ウェブ解析士の講座が複数ある。どれがおすすめ?
-
内容やスケジュール、特典が講座ごとに異なっていますので、講座一覧から各講座の詳細を確認されることをおすすめします。
私の受験体験を通じた「おすすめの講座の選び方」を以下の記事でまとめておりますので、よければこちらも参考ください。
まとめ

上級ウェブ解析士は、実務経験を通じて、ウェブマーケティングのコンサルティングスキル習得をめざす資格です。
「実践的なスキルを身に着けたい」という方にとっては、とてもおすすめできる資格です。
通常、1~2ヵ月での受講となりますので、合格するためには「時間の確保」がポイントとなってきます。最近では、短期ではなく自分のペースで受講可能な講座も用意されているので、ご自身にマッチした講座を受けることがおすすめです。

実際に2022年度に受験&合格した管理人としては、満足できる内容でした!
カリキュラムは充実していますが、成長という観点では「どれだけやり込むか」次第でもちろん変わってくるので、ぜひ本気で取り組んでみることをおすすめします。
みなさんのチャレンジを応援しています!
さっそく開催日程を見てみる